キシリトールって何?
皆さんはキシリトールという名前を聞いたことがありますか?ガムやお菓子などに入っていることが多く、テレビCMやスーパーの店頭などで目にしたことがあるのではないでしょうか。また、なんとなく歯に良いものというイメージを持たれている方も多いと思います。そのキシリトールが何から作られ、どのような効果があるかはご存じでしょうか。今回はキシリトールについて紹介します。
植物由来の天然甘味料
キシリトールは糖アルコールの一種で、プラムやイチゴ、カリフラワーなどにも含まれています。また、人の体の中でも一日に15g程度作られています。甘味料としてガムなどに含まれるキシリトールは、白樺などの木から抽出されたシランヘミセルロースから作られています。安全な甘味料として知られ、アメリカでは一日の摂取量に制限がない食品とされているくらいです。
キシリトールの働きは?
①むし歯菌の酸の産生を抑制
お口の中のむし歯菌が砂糖などを取り込むと、酸を産生し、歯が溶けて穴が開き、むし歯になります。キシリトールの他に、甘味料の糖アルコールには、ソルビトールやマルチトール、エリスリトールなどもありますが、いずれも砂糖などと違い、むし歯菌に取り入れられても酸を産生させにくいという性質を持っています。キシリトールなどの糖アルコールがよく甘味料として使用されているのは、その性質のためでもあります。ただし、キシリトール以外は、多少なりとも酸が作られてしまうので、キシリトール100%のガムやタブレットが最も効果的です。
②歯についたプラークを落としやすくする
プラーク(歯垢)とは、歯の表面についている白いネバネバした塊です。白くて見た目はわかりにくいですが、爪や爪楊枝で歯の表面や歯と歯の間を触ってみてください。白いものが取れてきたら、それがプラークです。プラークは水に溶けにくく、歯にしっかりとついているため、うがいなどでは簡単に落ちず、歯ブラシや歯間ブラシでなければきれいに落とすことができません。そのプラークをキシリトールが柔らかくしてくれます。柔らかくなると当然歯磨きで簡単に落としやすくなるので、歯磨きの効率が上がります。
③歯の再石灰化を促進
むし歯菌が出す酸により、歯のミネラルが溶けだして、歯の表面がスカスカになってしまいます。これを脱灰といいます。また、溶けた歯の表面に唾液中のミネラルが取り込まれて、スカスカだったところが再度硬くなることを再石灰化といいます。キシリトールにはこの再石灰化を促す効果があり、歯の強化につながります。
キシリトールはどうやって取り入れる?
キシリトールの効果を得られやすいのは、お口の中に長くとどまるガムやタブレットになります。ただし、キシリトールが最低でも50%以上の高濃度で含まれていることや、砂糖が含まれていないことが必須とされています。最も効果的なのはキシリトール100%の製品になります。
むし歯予防に効果的な一日の摂取量の目安は3~5g以上といわれています。3か月程度続けてもらうことで、効果が出てきます。市販のキシリトールガムにはキシリトールが約0.5g含まれていますが、歯科医院で販売しているキシリトール100%のガムには約1.3g含まれており、歯科医院専用の方が効率的に摂取できます。
毎日ガムを長時間噛むと、歯がすり減ったり顎を痛める可能性もあるので、1回の時間は20分程度が良いでしょう。また、1回1粒で朝、昼、晩、寝る前など、数回に分けることでむし歯予防の効果が高まります。
ガムを噛めない小さなお子さまなどはタブレットやチョコレートもありますので、できるだけキシリトール100%のものを選びましょう。
当院では、むし歯予防効果の高いキシリトール100%のガムやタブレット、チョコレートを扱っておりますので、気になる方はぜひお声がけください。
新潟市西区寺尾台 かとう歯科